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『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』11巻 :: 聖闘士星矢コミュ〜『聖域(サンクチュアリ)』〜

xpwiki:『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』11巻

『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS(ザ ロスト キャンバス) 冥王神話』11巻 anchor.png[1]

発売日: 2008/11/7

第88話 邪悪

【あらすじ】  山羊座(カプリコーン)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)エルシド[2]の犠牲により、“眠りの結界”は消失した。  夢界ではハーデス[3]がロストキャンバスの制作に勤しんでいた。  その下を訪れた眠りの神ヒュプノス[4]に、ハーデス[3]は『死と静寂の救済の世』の実現のためなら何でもすると語り、「誰にも邪魔させない。神にも愛する人達を手にかけても。」と言い放った。  そんな主にヒュプノス[4]は「良い冥王ぶりですね。」「人間には出過ぎた力だ」と告げる。  そう、冥王ハーデス[3]はまだ人間アローン[5]だったのだ。  ヒュプノス[4]アローン[5]が笑っていることを指摘し、「お前ほど邪悪な人間は見た事ない!!」と責める。  「お前は人の分際で、冥王軍を、我が一族を、聖戦の行方すら操ろうとしている。神聖な使命!?違うな、これぞ邪悪よ!!」  ヒュプノス[4]の言葉に核心を突かれたアローン[5]の胸のペンダントよりハーデス[3]の魂が目覚める!  今、ここにハーデス[3]は覚醒したのだ!!  先ほどのアローン[5]の言葉を否定するかのようにハーデス[3]は言う。  「死は救済ではない。断罪だ。地上を闇夜で塗り潰すのだ」  一方、聖域(サンクチュアリ)のスターヒル(星見の丘)では、死の神タナトス[6]との闘いで散った教皇セージ[7]の遺志を継ぎ、その兄ハクレイ[8]が教皇の兜を被る。  ハクレイ[8]は聖域の全戦士に告げた。  これまでに蟹座のマニゴルド[9]、山羊座のエルシド[2]、牡牛座のアルデバラン[10]、乙女座のアスミタ[11]、魚座のアルバフィカ[12]といった黄金聖闘士たちを始め、多くの戦士たちが死んでいったが、彼らの死によってハーデス[3]城を囲む二つの結界が破れた今こそ、決戦の時なのだと!  アテナの為、地上の為、同胞、次代の為に…  「進軍せよ!!!」  アテナと教皇セージ[7]を讃える戦士たちの声がこだまする。  彼らは教皇の死を知らないのだ。だが、今はその兄が教皇としての務めを果たさねばならない。  ハクレイ[8]は戦士たちの咆吼を頼もしく思いながら、自らも最後の戦いに赴く!

第89話 決意の出陣

【あらすじ】  祭壇星座(アルター)のハクレイ[8]は戦場に赴く支度を調え、弟セージ[7]の教皇の兜、法衣に別れを告げた。  彼は、死の神タナトス[6]を命懸けで封じた弟に、双子神のもう一神、眠りの神ヒュプノス[4]の封印を誓うが、そこにやってきたのは弟子である牡羊座(アリエス)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)シオン[13]だった。  シオン[13]のどこへ行くつもりかとの問い掛けに、ハクレイ[8]は「最後の命令も指揮権も、シジフォス[14]に委ねた。わしはお役御免よ。」と答える。  弟子は師の勝手を責めるが、ハクレイ[8]は「小僧に何が分かる!そこをどかんか!!」と言い放ち、「こんな老いぼれの事よりも、聖戦と己の行く先の事を考えよ!生きる為にな…」と告げ、教皇の間を去る。  一方、聖域(サンクチュアリ)のコロッセオには射手座(サジタリアス)のシジフォス[14]の下、全ての聖闘士(セイント)、戦士たちが集結していた。  シジフォス[14]は言う。  「時は来た!!これより総力をあげて、ハーデス[3]城に攻め込む!!」  「敵はイタリアにあり!遅れをとるな!!」  全軍は、ハクレイ[8]の秘蔵っ子 アトラ[15]のサイコキネシスで、一気にハーデス[3]城に近いところまでテレポーテーションする。  戦士たちの前に残る結界はただ一つ。  それに触れれば、10分の1の力も出せないという。だが、冥王ハーデス[3]はその最奥にいるのだ。  彼らは、先に逝った同胞の死を無駄にしないためにも、躊躇せずに向かうべきだと拳を突き上げるが、シジフォス[14]は、来るべき時まで待機するようにという、教皇の意志を全軍に伝える。  その頃、ハーデス[3]城の立つ岩山を登る一人の男の姿があった。  冥王軍の雑兵スケルトンが鎌を振るうと、ローブの下から現れたのは、ハクレイ[8]!   「じじィ!?なめやがって!かまわん、殺れ!!」と、スケルトンの一軍は彼に襲い掛かるが、祭壇星座の聖闘士は「やれやれ、敬老の心が足りぬ奴らじゃ…」とつぶやき、  「なめとんのはどっちじゃ!!!」 と、スケルトンたちを一瞬で打ち倒す!  今、ハクレイ[8]が単身、ハーデス[3]城に挑む!!

第90話 因縁再び

【あらすじ】  天秤座(ライブラ)童虎は、全軍待機を命じた射手座(サジタリアス)シジフォス[14]に、結界を恐れずにハーデス[3]城に向かうことを訴えるが、その前に現れた水瓶座(アクエリアス)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)デジェル[16]が、それは自軍を全滅に追いやる行為だと諭す。  ハーデス[3]城の結界の中ではアテナ軍の力は10分の1以下になるため、黄金聖闘士ならまだしも、白銀聖闘士や青銅聖闘士、雑兵たちでは、三巨頭はおろかたった一人の冥闘士に赤子の手をひねるようにして殲滅されてしまうと。  デジェル[16]は結界解除のため、ハーデス[3]城に乗り込んだ者の存在を察していた。  セージ[7]の作戦にしては強引すぎるため、それは誰かと問う水瓶座の聖闘士に、シジフォス[14]は教皇自ら出撃されたと答えるが、デジェル[16]は他に思い当たる人物がいると言う。  シジフォス[14]は、その者はハクレイ[8]で、教皇として檄を飛ばしているのも彼だと明かした。  驚く童虎。やはりと言う、デジェル[16]。  皆の士気が下がるため、「セージ[7]の死は隠し通せ、自分はあくまで裏方だ」と笑って行かれたと、説明するシジフォス[14]。  ハクレイ[8]セージ[7]には双子神封印の悲願がある。  今はそれを信じるしかないのだ。  一方、単身ハーデス[3]城に乗り込んだハクレイ[8]は、次々とスケルトンたちを倒し、奥へと進んでいく。  彼にはハーデス[3]城の結界も効果がない。  老兵は言う。  「このわしの行く手を遮るには…わし以上の覚悟を持て!!!それが戦場であろう!」  ついに結界の中心部に辿り着いたハクレイ[8]。  部屋の中心に描かれた魔法陣の中心に先代のアテナより賜った剣を突き立てれば、結界が解除されるのだ。  だが、そこに…  ゆらりと現れた影は言う。  「なるほどアテナの血を受けた剣か。その剣の加護により、この結界内を自由に歩き回れていたというわけか。やはり人間は面白い。だが、その剣、神である私の前で突き立てられるかな。」  宿敵ヒュプノス[4]の名を叫ぶハクレイ[8]。  眠りの神は続ける。  「前聖戦を生き残り、兄弟の力でタナトス[6]をも封印したその執念、素晴らしい!!私の敬意、有難く受け取れ。私はそんなお前たち人間の心がつむぐ諸々にいつも心惹かれる。」 「夢然り、感情然り、芸術然り…」  突然、上から降ってくる、シオン[13]ユズリハ[17]!  彼らは深い傷を負っている。  「不完全さ、然り!弱さ!脆さ!!」  「そして、神に逆らう愚かさ!!!さあ観せよ、お前の執念。つまらなければ、それで終わりだ。」  愛弟子を傷付けられ、怒りに燃えるハクレイ[8]が今、神に挑む!!

第91話 戦士の執念

【あらすじ】  ハーデス[3]城の結界の中心の部屋で、ついに対峙したハクレイ[8]と眠りの神ヒュプノス[4]。  突然、上から降ってくる、牡羊座(アリエス)シオン[13]と鶴星座(クレイン)ユズリハ[17]。彼らは傷を負っていた。  ヒュプノス[4]シオン[13]ハクレイ[8]を追ってきたことを教える。  ハクレイ[8]は馬鹿者と弟子を叱るが、シオン[13]は言う。  「馬鹿なのは貴方の方だ…」  「何故、共に死のうと言ってくれないのです!!」  ユズリハ[17]シオン[13]の頭に手を置き、諫めるハクレイ[8]。  ヒュプノス[4]はそんな人間たちの姿に手を叩き、「願い通り、共に死なせてやろうか?」と提案する。  「エンカウンター アナザー フィールド!!」  「私のもたらす夢、空想は全て現実に形作られる」  ハクレイ[8]シオン[13]ユズリハ[17]を高度1万mから落とすヒュプノス[4]。  床に叩き付けられ、なおも立ち上がるハクレイ[8]だが、圧倒的な神の力は今度は巨大な隕石を出現させる。  「弟子を救いたくば、頭を下げよ」「その剣を置き、弟子共々、地上の行方を震えながら待て!!」と迫るヒュプノス[4]に、老兵は苦渋の表情を見せるが、シオン[13]ユズリハ[17]は立ち上がり、最後まで師とともに闘うことを選んだ。  「足手まといなど…死んだ方がマシなのです!!!」という弟子二人の姿に、ハクレイ[8]の気持ちは固まった。  そんな三人の頭上にヒュプノス[4]は隕石を落とす!  隕石を受け止め、破壊するハクレイ[8]。  「ヒュプノス[4]も、お前らも、何をごちゃごちゃ言っておるのやら」  「わしは始めから帰る気も、お前らを死なせる気もない!!」  ハクレイ[8]は出血を止めるため、陰腹を切っていた。  彼は言う。  「小僧共が!!たいした年月も生きとらんくせに、死に急ぐとは生意気よな!」  「命をかけるなら、生きてそれに値する未来にかけよ!!」  弟子を前に意を決したハクレイ[8]の執念が燃え上がる!!

第92話 因縁決着

【あらすじ】  陰腹(かげばら)を切ったハクレイ[8]は、弟子の前で、命と引きかえる最後の技を発動する。  周囲に現れる、幾多の聖闘士(セイント)たち。  積尸気(せきしき)を通して、前聖戦の戦士たちの魂を召還したのだ!  ハクレイ[8]は言う。  「人間にとっての二百数十年の執念!そう軽いものではない。」  「積尸気転霊波(せきしきてんりょうは)!」  戦士たちの小宇宙(コスモ)がヒュプノス[4]に襲い掛かる!  しかし、それを受け止める眠りの神。  自らの肉体を捨てて、魂となり、自身も転霊波に加わるハクレイ[8]!  「同胞(とも)よ、弟子よ、これが人間(わし)の執念」  ハクレイ[8]の執念がヒュプノス[4]の冥衣(サープリス)のマスクを割る。  「フフ…、執念だけで、私に一撃届かせるとはな。やはり人間はどうしようもなく愚かだ…」  「だが見事だ」  ヒュプノス[4]の魂がハクレイ[8]の元へと流れる。  牡羊座(アリエス)シオン[13]と鶴星座(クレイン)ユズリハ[17]の前で師は起き上がり、聖柩を取り出した。  彼は言う。  「…封じたぞ、ヒュプノス[4]、二神を。だが…同胞(とも)らはまだ死なせてはくれんようだな…」  そして、立ち上がった。  シオン[13]は、師が生きて背負い続けた悲願を目の当たりにして、胸に熱いものを感じていた。  自らの最後の役割として、ハクレイ[8]は最後の結界を消滅させるため、六芒星の中心に剣を突き立てようとする。  「次代の子らよ、いざ!!」  突然、血を吐いて倒れるハクレイ[8]!  響く声。  「ヒュプノス[4]め、人間相手に油断でもしたか…。こんなに簡単に死んでしまうのになぁ、人間など。」  姿を現した冥王。  「ハーデス[3]!!」  叫ぶシオン[13]。  「見事なのは、血の鮮やかさくらいだろうに。」  ハクレイ[8]の血を自らの顔に塗るハーデス[3]。  そこにアローン[5]の優しさはなかった…!

第93話 遙かな神

【あらすじ】  牡羊座(アリエス)シオン[13]は状況を理解できないでいた。  「さっきまで師は戦っていた…。命の限り。そして、神に勝った!それが、それが…」  目の前には、血の海に横たわり、ピクリとも動かない師ハクレイ[8]。そして、それを黒い笑みで見下ろす冥王ハーデス[3]の姿。  「許せん、ハーデス[3]!!!スターダスト レボリューション!!!」  牡羊座最大の拳を放つシオン[13]。  だが、ハーデス[3]は涼しげな顔で「ああ、見事な星クズだ。」と言うと、そのローブの袖に垣間見えた宇宙へと星々を吸い込む。  そして、さらに鋭い恒星がシオン[13]を襲った!  そこにいるのは、眠りの神ヒュプノス[4]とも、以前相見えたハーデス[3]とも違う、遙かに神であった!  圧倒的な力の差を思い知るシオン[13]だが、命に代えても、結界だけは解除しようと、前聖戦のアテナの血の加護を受けた剣を拾いに走る。  だが、頼みの綱のその剣も粉々に砕かれてしまう。  シオン[13]をはじき飛ばしたハーデス[3]の魔手は鶴星座(クレイン)ユズリハ[17]にも伸びる。  だが、ユズリハ[17]は体がすくんで動かなかった。  「戦士であれと生きてきた私が…!!!」  絶望的な状況に恐怖するシオン[13]の妹弟子。  兄弟子が再び立ち上がり、ハーデス[3]の攻撃を防ぐが、もはやここまでかと観念しかけた、その時、  天秤座(ライブラ)童虎と天馬星座(ペガサス)テンマ[18]が加勢に現れた!  童虎は聖域(サンクチュアリ)軍を率いる射手座(サジタリアス)シジフォス[14]に頼み込んでハーデス[3]城に行かせてもらい、そこでテンマ[18]を見つけたのだという。  テンマ[18]は冥王の横を通り過ぎ、ハクレイ[8]の亡骸の前に腰を落とした。  「族長(おさ)!あんたまで…。」「アローン[5]、お前がやったのか!?」  「フッ」とハーデス[3]。  「何が可笑しいんだよ、この野郎ー!!!」  神に怒りの拳を向けるテンマ[18]。  ハーデス[3]テンマ[18]をこともなげに弾き飛ばし、驚愕の事実を告げた。  「天馬星座(ペガサス)テンマ[18]よ。お前の言う、アローン[5]とは一体誰だ?」  「彼はすでに死んでいるというのに。」  「もういない。」  「だったら、お前は何なんだよ…。ちくしょーッ!!!」  テンマ[18]の慟哭が流星拳となって放たれた。

第94話 死の贈り物

【あらすじ】  流星拳を弾き返され、吹っ飛んだテンマ[18]。  動きを封じられた天馬星座(ペガサス)の聖闘士(セイント)の前で冥王は言う。  「少し趣向をこらしてやろう」と。  ハーデス[3]の頭上にアテナ軍の光景(ビジョン)が浮かび上がった。  ハーデス[3]城近郊の森には本隊の射手座(サジタリアス)シジフォス[14]の指示を待つ聖闘士、雑兵たちが待機しており、その中には牡牛座(タウラス)アルデバラン[10]の弟子テネオ[19]サロ[20]の姿もあった。  闘いを怖がるサロ[20]を励ますテネオ[19]。  「大丈夫だよ、サロ[20]アルデバラン[10]様が守ってくれる。最後まで強くいよう」「生きて帰れるかは分からない。だけど、俺たちはいけるところまで戦います。貴方を殺った冥闘士(スペクター)を一人でも討てるなら…!!」と、師に誓いを立てるテネオ[19]。  その時、突如、城を取り巻く結界が解除された!  一軍の背後に現れ、進軍を告げたのは教皇だった。  教皇の無事を喜び、「行け!!地上の平和のために!!」の言葉に従い、彼を越えて、ハーデス[3]城に向かう聖闘士、雑兵たち。  「見ていてください、アルデバラン[10]様!!」とテネオ[19]サロ[20]も駆ける。  仮面の下で怪しい笑みを浮かべる教皇。  そして…、  一軍は罠に掛かり、全滅。  教皇はハーデス[3]の放った屍人だった。  かろうじて息のあるテネオ[19]サロ[20]の名前を呼ぶが、返事はない。  目の前のサロ[20]は既に絶命していた。  テネオ[19]サロ[20]を抱きしめ、号泣した。  思惑通りに事が運び、声高に笑うハーデス[3]。  テンマ[18]の怒りは限界を超えた。  「ぶっ飛ばす。許せねェー、アローン[5]!!いや…ハーデス[3]ー!!!」  封じられた体の自由を取り戻し、冥王に立ち向かうが、  ハーデス[3]の剣には効かない。  「所詮は人間か!!」  聖衣(クロス)を砕かれ、弾かれるテンマ[18]。  「天馬星座(ペガサス)!お前との因縁も…ここで幕だ」  剣を振り下ろすハーデス[3]!  割って入ったのは天秤座(ライブラ)童虎[21]だった。  天秤座の黄金聖闘士(ゴールドセイント)は、円盾(シールド)を真っ二つに割られながらも、弟分に「また、あっさり目の前で死なれてはたまらんぞ!」と笑いかけた。  「もうない!あんな事。」とテンマ[18]。  「なら、安心じゃ!」と童虎[21]。  このことがきっかけで、テンマ[18]は冷静さを取り戻す。  童虎[21]テンマ[18]に、ハーデス[3]が剣を振り切るまでには間があると語り、そこを突くことを指示する。  そして、二人に向けて、再びハーデス[3]の剣が振り下ろされた!  今、渾身のペガサス流星拳と廬山百龍覇が冥王に向けて放たれる!

第95話 活路

【あらすじ】  テンマ[18]と天秤座(ライブラ)童虎[21]により放たれた渾身のペガサス流星拳と廬山百龍覇だが、冥王は剣を一閃すると、それをかき消し、その場にいる全ての聖闘士(セイント)たちを吹き飛ばした!  牡羊座(アリエス)シオン[13]は思った。  次元が違う。このままでは全滅、無駄死にする。  しかし…、今ここで天馬星座(ペガサス)を、冥王と因縁を持つ、あの若者を死なすわけにはいかん。 神話の時代、唯一冥王の肉体に傷をつけた男の魂を!!  撤退か…、また?ここまで来て…!!  だが、どうやって、あのハーデス[3]から隙を見出す…!?  童虎[21]はその思いを読み、答える。  シオン[13]!!その隙…わしが作る!!  次の瞬間、童虎[21]は聖衣(クロス)を脱いだ。  彼は愛弟子であるテンマ[18]に活路を拓くため、全てを賭けることを決意したのだ。  その背中に虎が浮かぶ!  「余は一人たりとも逃すつもりはないのだがな!!!」とハーデス[3]。  童虎[21]の廬山龍飛翔が炸裂!!  彼の小宇宙が金色の龍と化す!  さらに、龍の口より天秤座の槍(スピア)を放ち、それは冥王の頭部を捕らえたか!?  …いや、寸前で止まっていた!  だが、童虎[21]にはそれで十分だった。  「かかったな、ハーデス[3]。待っていたのはその間よ!!!」  サイコキネシスで宙に浮かぶシオン[13]テンマ[18]、鶴星座(クレイン)ユズリハ[17]の体。  「待て、シオン[13]!!童虎[21]は…!!いやだ、童虎[21]…!!」  テンマ[18]の叫びを背に、童虎[21]は思った。  テンマ[18]よ、わしがお前を聖闘士にしたこと、お前はどう思っているか、わからんが…  お前との修行の日々、決して悪くはなかったぞ  「まだじゃー、行くぞ、ハーデス[3]!!!」と、冥王に向かっていく童虎[21]。  「こしゃくな…」と、剣に光を迸らせるハーデス[3]。  なあ、愛しの弟分よ…  ハーデス[3]城の外に飛び出した三人。  俯くシオン[13]。  「嘘だよな…?あんたまで…」  童虎[21]オオォ  テンマ[18]の絶叫がこだました。  ハーデス[3]城は崩壊を始めた。  冥王の足下には、胸を貫かれた童虎[21]の体が横たわる。  「世界の終末はもう見えている。この巨城ももはや用済み。せめて哀れな聖闘士たちの墓標にしてやろう」  ハーデス[3]の頭上には空へと伸びる階段が現れた。  崩壊の中、ハクレイ[8]の遺体、[[サロ]ら全滅した一軍の姿も見える。  「さらば地上、余は空より、お前たちを統べてやろう」  加速する世界の終わり。  冥王はロストキャンバスへと上っていく。

第96話 終末を前に

【あらすじ】  多くの犠牲を払ったハーデス[3]城への進軍から数日後、聖域(サンクチュアリ)のアテナ神殿より、サーシャ[22](アテナ)は大地が空へと昇るのを目撃する。  部下とともに、その大地のあった場所の様子を探りに行った烏星座(クロウ)の聖闘士はイタリア半島のあった一帯に、闇に染まった海を見るのだった。  彼は、空にある巨大なイタリアの絵は先日浮かんだイタリア半島そのものが取り込まれたのだと確信する。  さらに上空へと向かおうとする烏星座(クロウ)たちだが、部下のショウ[23]ガンサ[24]が闇に引き込まれてしまう。  ただ一人、傷だらけになりながらも聖域に戻った烏星座の聖闘士[25]。  彼はサーシャ[22]に、空の絵はイタリア半島そのもので、半島のあった場所は闇に呑まれていたこと、ロストキャンバスがすでに冥王軍の城となっていることを報告し、奴らは恐らくは空に命のない地上を作るつもりなのではと言い残し、息を引き取った。  このままでは、ハーデス[3]は次々と大地を浮上させ、絵に取り込むことだろう。  射手座(サジタリアス)シジフォス[14]と牡羊座(アリエス)シオン[13]を前に、ロストキャンバスへと向かい、ハーデス[3]を討つことを宣言するサーシャ[22]だが、そのためにはロストキャンバスへと至る道を見つけなければならない。  一方のテンマ[18]は、天秤宮で、いつも天秤座(ライブラ)童虎[21]に助けられてばかりだったことを思い返していた。  テンマ[18]には孤児院では年上がいなかったため、童虎[21]に叱られたり、誉められたりするのは結構心地がよかったのだ。  「お前はわしの弟分じゃ!!」 と、屈託のない笑顔を見せる童虎[21]の顔が脳裏に浮かぶ。  だが、その童虎[21]テンマ[18]たちを逃がすため、一人、ハーデス[3]に向かっていったのだ。  「悔しい…!!情けねェ…」  「強くなりてェ…!!!」  自らの力不足を嘆くテンマ[18]の前に、水瓶座(アクエリアス)の黄金聖闘士デジェル[16]が現れる。  彼は「確かに童虎[21]が死んだのはお前の力不足」と冷たく言い放つ。  「どうすればいい…?どうすれば、人を守れる位、強くなれる!?」と問うテンマ[18]に、デジェル[16]は地中海のカノン[26]島という島の存在を教える。  そこに住む鬼ならば、死か力をテンマ[18]に与えるだろうと言う。  そのカノン[26]島では、鬼が聖闘士たちを相手に猛威を振るっていた。  「弱い…、怒りが湧くほどに…。こんなものなのか…!?最近の聖闘士はーッ!!」  という鬼は、ペルセウス座の聖闘士[27]を踏み潰し、メドゥサの盾を噛み砕きながら、その場を引こうとする聖闘士たちにも「力なき者は死あるのみ!!!」と宣告する。  果たして、聖衣(クロス)をも噛み砕くカノン島の鬼[28]とは…!?

『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』12巻[29]

Last-modified: 2008-10-05 (Sun) 18:58:37 (JST) (4409d) by seiya